参拝

神社を参拝する時、左側を歩きます。参拝後は時計回りに振り返りそして左側を戻ってゆく…と、常に左側通行。
榊を供える手順も神輿の方向転換も時計回りだったりします。
ようは神事の作法は全て右回り、左側通行。
これは昔、武士は左腰に帯刀(刀を装備している)していて、右側を歩いていると対面してくる相手の鞘と自分の鞘がぶつかってしまう「鞘当て」が起こってしまうからなのです。
「鞘当て」は喧嘩を売ってるのと同じことで、それを防ぐ為にも左側通行となっているとも言われています。
他に心臓左側説というものあります。
これらの事から、神社は拝殿に向かって参道の左側に手水舎(てみずや・ちょうずや)が置かれています。でも、勿論これはあくまで原則であり、敷地によっては右側に置かれている所もあります。

まず参拝するには、鳥居の所で衣服を整え、一揖(いちゅう:揖(ゆう)=浅いお辞儀)、軽く一礼をして境内に入ります。他人の家に上がるときに挨拶するのと同じ事です。それから次に手水舎の水で両手を清め口をすすぎます。

鳥居を潜ると、拝殿近くに4本の柱に屋根だけの吹き抜けの建物があります。そこには常に水が溢れる水盤が置かれ、上には水を汲む柄杓(ひしゃく)が置かれています。
それが手水舎(てみずや・ちょうずや)
手水舎の盤には大抵「洗心」とか「清浄」という言葉が彫られていると思います。これには両手を清めて口をすすぐことにより心(魂)を洗い清めるという意味があります。中には「奉献」なんてのもあったりしますが…。
手水は「てみず」と言っていたが、転訛していき「ちょうず」とも言うようになったとも言われています。
水の出口は蛇口や竜、獅子、亀などと様々で、竹や鉄などの管に穴を沢山あけて水がそこから出る形のものなど。材質は石、鋳物、銅、竹、木、コンクリートや水道の蛇口のままのものまであります。
水盤
(手水石)も石造りから鋳物、コンクリートまであります。





手水の作法


@右手に柄杓(ひしゃく)を持ち、水を汲み、左の掌(てのひら)に掛けるようにして洗い清めます。
A柄杓を左手に持ち替え、右の掌を左手の時と同じように清めます。
B再び柄杓を右手に持ち替え、水を左の掌に受けて口に運び、含んですすぎます。この時柄杓に直接口をつけてはいけません。
Cもう一度@の要領で左の掌を清めます。
D水を居れた柄杓を両手で持ち垂直に立てて、柄に水を流して洗い清めます。
E最後に柄杓置きに伏せて置きます。

この内のCは略されて説明されている事も多いですね。



手水奉仕を受ける時

@両手で水を受けて洗い清めます。
Aもう一度両手で水を受けて、その水で口をすすぎます。
Bさらに両手で水を受けて、再び両手を洗い清めます。
C最後に拭紙(ぬぐいがみ)で口を拭ってから手を拭います。


さて、身も心も清めたら次に参拝です。

この時、参道(神前に向かう道)の中央は避けて通ります。参道の中央は正中(せいちゅう)といわれ、神様の通る道をされているため、そこを通る事は神への礼儀に欠けることとなってしまうからです。混雑している時以外は歩かないようにした方がいいでしょう。

拝殿に着くと拝殿前で賽銭(さいせん)を上げて拍手をし、拝礼してお終い…というのが一般的な参拝ですね。
そして鈴が下がっているのですが、その鈴をいつ鳴らすかで悩む方もいるかと思います。




拝礼の作法


最初に簡単に説明すると、賽銭→鈴→拝礼拍手 です。

本来、賽銭にはお祓いの意味があったといわれますが、賽の文字は元々神へのお礼という意味で、祈願成就した時のお礼として奉納したのが起源といわれているので、神にお願いする気持ちと考えて構いません。
そして鈴ですが、参拝の前に鈴を鳴らすのは、その音で神を呼び、参拝に訪れたことを神に告げる意味があります。
実は拝殿には御神体は無く、拝殿とは別にある本殿(正殿、神殿ともいう)に鎮座しているからです。本殿は拝殿の後方にあり、瑞垣(みずがき)という塀で囲われているので、良く見えないことが多いです。しかし場所によっては拝殿の横手に回ればじっくり見る事が出来るので、訪れた時に見てみるのもいいかもしれません。
しかし鈴の無い神社も多いですね。
それは鈴を吊るすようになったのが、中世以降といわれていて、明治維新までは「鰐口(わにぐち)」と呼ばれるものが吊るされていいたからです。しかしこの鰐口は、本来、仏教具であり、神社から排除されたといわれています。
鈴を鳴らすようになった由来は、一説によると、古来から鈴には魔除けの霊力があるといわれ、それが神事の時に鈴を鳴らすようになったとか。
巫女が神楽舞(かぐらまい)を舞う際に、神楽鈴という小さな鈴が山形に並べられた鈴を手に持って慣らし、その音で神を招いていました。その為、神社の鈴も参拝するにあたり鈴の清らかで涼やかな音色で神を招き、これから祈願を申し上げますよ、という一種の合図の役割を果たしています。
鈴の材料は主に金や銀、真鍮、青銅や鉄で、語源は「涼やかな音色」というところからと言われています。
なので、招いてからお賽銭を入れてしまってはどこか可笑しものとなってしまいます。

鈴を鳴らしたら次に拝礼です。
拝礼のやり方は一般的に「二拝ニ拍手一拝」です。



ニ拝ニ拍手一拝の仕方

@直立の姿勢から90度に深々と身体を折り、頭を下げる…を、2度。
A胸の高さに手を上げ、右手を少し引き合わせる手をわざとずらして2回拍手を打つ。
Bずらした右手を戻して両手を合わせ祈る。
C手を下ろして@と同じように90度に身体を折り、1度頭を下げる。

この前後に一揖か、最後に上半身を45度に折り頭を下げる
深揖(しんゆう)を加えると一層丁寧な作法となります。


拍手

「はくしゅ」「かしわで」とも読みます。文字も「拍手」「柏手」と両方あります。
これは拍の文字を柏の文字と書き間違えられてつたわり、混同されて用いられてきたことから両方使われるようになったといわれています。
拍手と、神前での敬礼作法で最も敬意を表す作法で、腰を90度に折る姿勢の拝、この形式は神社によって異なります。
手の打ち方はニ拝ニ拍手一拝で打つ「短拍手(みじかて)」、八つ打ってさらにその終わりに短拍手をひとつ打つ「八開手(やひらて)」などがあり、他にも直会(なおらい)で盃を受ける時に一つ打つ「礼手(らいしゅ)」、神道の葬儀では音を立てずに打つ「忍び手」、また拝には座って行う「座拝(ざはい)」立ったままの「立拝(りっぱい)」座った位置と立った位置に行う「起拝(きはい)」などがあります。
伊勢神宮では起拝を四度繰り返す「八度拝」「八開手」を、出雲大社では「四拍手(しはくしゅ)」が古来から伝統拝礼として行われています。



拝礼をしたら右回りに振り返り、拝殿を後にします。